印刷豆知識

印刷物に関する様々な情報や
入稿データ作成のポイントをお伝えします。

印刷の基礎知識

印刷の種類

オフセット印刷

鮮明な仕上がりで、大量印刷に向いています。
パンフレットやチラシなど、平版印刷で最も多用されている印刷方法です。インキを版に付けた後、ブランケットと呼ばれる転写体にインキを転写し、紙に印刷する方法です。
オフセット印刷には、あらかじめ定められたサイズにカットした用紙に印刷していく「枚葉機(まいようき)」と、ロール紙にハイスピードで印刷する「輪転機(りんてんき)」があります。チラシなど10万部以上の大量印刷には輪転機が向いています。

オンデマンドプリント

部数が少ない印刷を仕上げたい場合に向いています。
名刺や小ロットのチラシなど、“必要な時、必要なだけ”印刷する方法です。PCからダイレクトに高速プリンターで出力するため、刷版工程が無いことから「無版印刷」とも呼ばれています。
宛名印字やナンバリングができます。 ※印刷できるサイズや紙質には制限がございます。詳しくは、各営業担当までお問い合せください。

印刷物のサイズ

パンフレットやチラシ、冊子などは、用途に合わせてサイズを決定します。はがきなど、印刷物によっては定型サイズが決められているものもあります。

よく利用される規格サイズ

A版

A1(841mm×594mm)
ポスターなど
A2(594mm×420mm)
ポスターなど
A3(420mm×297mm)
ポスター、大型チラシなど
A4(297mm×210mm)
チラシ、月刊誌、パンフレットなど
A5(210mm×148mm)
フライヤー、ノート、書籍など
A6(148mm×105mm)
ポストカード、手帳、文庫本など
A7(105mm× 74mm)
カードなど

B版

B1(1030mm×728mm)
ポスターなど
B2(728mm×515mm)
ポスターなど
B3(515mm×364mm)
ポスター、大型チラシなど
B4(364mm×257mm)
チラシ、大型雑誌、写真集など
B5(257mm×182mm)
フライヤー、週刊誌、カタログなど
B6(182mm×128mm)
フライヤー、雑誌、書籍など
B7(128mm× 91mm)
手帳など

その他、印刷物の通常サイズ

名刺:91mm×55mm
ショップカード:85mm×54mm
スタンプカード(2ッ折):170mm×54mm(横型)<仕上り:85mm×54mm>
スタンプカード(2ッ折):85mm×108mm(縦型)<仕上り:85mm×54mm>
ポストカード(郵便はがき):100mm×148mm
往復はがき(郵便はがき):200mm×148mm
挨拶状(2ツ折):204mm×154mm<仕上り:102mm×154mm>
角1封筒:270mm×382mm=B4サイズが丁度入る大きさ
角2封筒:240mm×332mm=A4サイズが丁度入る大きさ
長3封筒:120mm×235mm=A4サイズを3ッ折りしたサイズが入る大きさ
長4封筒:90mm×205mm=B5サイズを3ッ折りしたサイズが入る大きさ
洋2封筒:114mm×162mm=2ツ折の挨拶状やハガキが丁度入る大きさ

片面印刷・両面印刷

チラシなどの1枚ものは、片面のみの印刷か、両面に印刷するかを掲載内容のボリュームや用途によって決定します。
複数ページのパンフレットや冊子などは(基本的に)両面印刷となります。

面付け

本やパンフレットなど複数ページの印刷物を作る場合、印刷用紙に各ページを正しい順で配置することを「面付け」といいます。
1枚の大きな印刷用紙にページをまとめて印刷します。

印刷の色数

4色(フルカラー)印刷

フルカラー印刷は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色(色の3原色+ブラック)から成り立っており、これら4色のインキを重ね合わせることによって色を表現しています。デジタルカメラで撮影されたデータ等の色は光の3原色(RGB)で構成されており、印刷の色の構成とは異なります。そのため、印刷する場合はCMYKに変換する必要があります。

モノクロ印刷

モノクロ印刷は、黒1色での印刷です。文章など文字のみを黒ベタ1色で印刷する場合と、写真などを表現するためグレー階調で印刷する場合があります。

特色印刷

CMYK以外の特別なインキで印刷する方法です。チラシや名刺など、シンプルな印刷内容のものに、1色や2色の色指定をします。
黒の代わりに、赤い特色を指定すると、「赤色のインクで印刷する」という感覚です。

特色を2色選択して印刷すると、1色よりもイメージが広がります。チラシなどによく使われる方法です。

印刷用紙

用紙の分類

印刷に使用される紙は、大きく塗工紙と非塗工紙に分類されます。
塗工紙とは、印刷機能を向上させるために、表面に特殊な塗料を湿布した紙です。表面が滑らかなため、色を鮮やかに再現することができるので、パンフレットやポスター、写真集などのカラーの印刷に向いています。
表面に光沢が出るよう塗工されたグロス系アート紙(コート紙)、白色面(インクがのっていない部分)の光沢が抑えられるよう工夫されたダル系アート紙、白色面、カラー部分共に光沢が抑えられるよう処理されたマット系アート紙に分類されます。
非塗工紙とは、パルプを原料として紙が出来上がったままの状態で、表面に凹凸が見られます。平滑度が低いと色が沈んで見えるため、カラー印刷や写真の印刷には不向きです。しかし、紙面を見る時の目の負担が軽いため、文字の多い冊子などに向いています。
非塗工紙の中でも上質紙(色のついたものは色上質紙と呼びます) は、商業印刷、一般印刷、書籍、封筒など、中質紙は、教科書、文庫本、雑誌などに使用されます。
その他パルプを原料としないユポなどの合成紙もあります。

用紙の厚さ

用紙の厚さは重さで表記し、「kg」で表すのが最も一般的です。例えば、四六判90kgとは、四六判(788mmx1,091mm)の用紙が1,000枚集まったとき90kgの重さになる厚さのことです。同じ紙の厚さでも、菊判(636mmx939mm)では、換算すると62.5kgの重さになります。(菊判は規格A版、四六版は規格B版の用紙寸法です。)
目安としては、郵便はがきの厚みが180kg(四六版換算)位になります。また、用紙によって厚さのバリエーションは異なります。
※あくまで「重さ」で紙の厚さを表現しているため、同じ「重さ」であっても紙の硬さや表面の凹凸により、実際の「厚さ」が違う場合がございます。

四六判 菊判 主な用途
55kg 38kg チラシ、雑誌本文など
73kg 50.5kg チラシ、雑誌本文など
90kg 62.5kg チラシ、雑誌本文、リーフレットなど
110kg 76.5kg パンフレット本文、リーフレットなど
135kg 93.5kg パンフレット表紙、ポスターなど
180kg 125kg パンフレット表紙、DMはがきなど
220kg 153kg パンフレット表紙、DMはがきなど

再生紙

再生紙とは、古紙(使用済み、または加工時に回収した用紙)を原料に作られた用紙のことです。
古紙の配合率等に関しては、明確な定義は無く、1%でも混じっていれば「再生紙」となります。
古紙配合率100%の再生紙は、2007年4月に廃止されました。それは、古紙を何度も再利用していると品質が落ちてしまうためと、再生紙の製造段階において、二酸化炭素の排出量が増えてしまうためです。環境のためにも100%にこだわらず、用途に応じて適切な再生紙を使用することをお勧めします。

宛名印字・ナンバリング

宛名印字

ハガキや封筒などに宛名を印刷します。

ナンバリング

通し番号を印刷します。
用途:チケットや伝票など。

加工

折り加工

二つ折りや三つ折りなどのいろいろな折りの加工が可能です。

2つ折り

3つ折り


  • 巻3つ折り

  • 3つ折り(Z折り)

4つ折り


  • 観音折り

  • 蛇腹4つ折り

  • 巻4つ折り

冊子タイプ

A4やB5といった規格サイズや封筒に入るサイズまで、情報に応じてサイズやページ数をお選びいただけます。

カバージャケットタイプ

内ポケットを糊付け(もしくはハメコミ)し、チラシやリーフレットなどをポケットに入れることができます。用途に合わせてファイルする内容を変更することができるのでとても便利です。

綴じ加工(製本)

中綴じや無線綴じなどのいろいろな製本ができます。

綴じ方の種類(代表的なもの)

本にはいろいろな綴じ方法があり、その種類によって印刷工程・製本工程も変わってきます。また、種類によって本の強度も違います。
ハードカバーの上製本や、文庫本・教科書によく使われている無線綴じ製本はもっともポピュラーな製本方法です。また、強度は落ちますが本の背中の部分を針金でとめている製本方法が中綴じ(針金)製本です。
その他に、メモ帳などの天糊(のり)製本や、平綴じ製本、マーブル・クロス巻き製本などがあります。

上製本

本の中身を糸かがり、もしくは接着剤で固めて仕上げた後、別仕立ての厚めの表紙でくるんで仕上げます。
表紙を上質の布でくるみ、本の題名を金箔押しした重厚な雰囲気のものや、表紙に厚めの紙を使用し、その上にブックジャケットを被せるものもあります。表紙は中身よりひとまわり大きく、固い表紙で中身を保護するようになっています。
表紙と中身の間には「見返し」と呼ばれる紙を挟んでのりづけしてあり、表紙と本の中身をしっかりと固定しています。長期の保存に耐えられるのが大きな特長で、小説や事典、記念誌、写真集などによく用いられています。
背固めの方法によって「丸背」「角背」「フレシキブルバック」の3種類に分類され、さらに表紙の仕立てにより、溝付き・突付け・薄表紙があります。

無線綴じ製本

丁合の完了した折丁(ページ順に固めてある状態のもの)の背に糊を塗布して表紙を貼り付ける「くるみ製本」とも呼ばれる方式で、特にページ数の多い冊子には最適です。商品カタログ、会社案内パンフレット、情報誌、文庫本、カタログ、月刊誌など幅広い用途にご利用いただける製本方法です。
※無線綴じ製本には、本文の背を一度切り落として接着面を作る文字通りの「無線綴じ」と本文の背部分に溝を入れ糊を浸透させる「アジロ(網代)綴じ」の2種類があります。
※無線の名は製本時に、(「線」と呼ばれる)糸や針金を使わない方法によるもの

中綴じ(針金)製本

本を開いた状態の紙(通常1枚で4ページとなる)を重ね、中央部分を針金で留める製本の方法です。会社案内、商品カタログ、パンフレット、カレンダー、情報誌などの比較的ページ数の少ない印刷物に適しています。
製本の仕組み上、基本的に4ページの倍数(8、12、16ページ・・・)となります。
※本の厚さ、用紙の厚さによって、外側と一番中のページでは大きさが多少違ってきます。

天糊(てんのり)

用紙を数十枚束にした状態で、一辺を糊付けします。手で簡単にはがせます。
用途:便箋やクーポン券、メモ帳など。

天糊(のり)製本

一枚ずつはがして使う伝票帳票類やメモ帳など、幅広い用途に適用可能な事務用製本専用の接着剤を使用した製本様式です。

表面加工

ポスターや本の表紙など、主に強度を増す目的で、紙の表面をコーティングします。汚れ防止、高級感アップの効果が得られます。
クリアPP貼り加工:表面をビニールでコーティングします。表面の光沢が強くなり、強度が増し、耐水性が強くなります。
マットPP貼り加工:表面を艶なしのビニールでコーティングします。表面の艶を抑え、シックな仕上がりになります。
ニスコーティング:表面をニスでコーティングします。表面の艶を抑えたマットニスもあります。

ラミネートパウチ加工

両面をフィルムで挟み、フチを留めます。PP加工よりもさらに防水性が高くなります。

箔押し(金、銀など)

表面に箔を押します。とても高級感があります。
用途:ハードカバーの表紙など。

エンボス/デボス加工(空押し)

タイトル文字・ロゴなどを浮き出しさせます。
用途:会社案内の表紙など。

穴開け

ファイリングするためにの穴をあけることができます。

ミシン

切り取り用にミシン目を入れます。
用途:チケットや伝票など。

スジ入れ

手で折りやすいように、あらかじめ折り目用のスジを入れておきます。
用途:厚手のリーフレットやカードなど。

型抜き

円形やハート、星などいろいろな形に加工します。
用途:ポップやポケットフォルダーなど。